私が入ってきたのに気づくと手を振って合図する。

「結芽!こっちこっち!」

「うん!」

そう返事をして奈津の前の席に腰掛ける。

「昨日はごめんね?」

「ううん、全然!」

そう言いながらメニューを眺める。

「従兄弟たちはもう帰った?」

「…ううん、昨日はもう夜も遅かったし、泊まっていったの。
今日も泊まるって」

「そ、そっか、大変だね…」

私は店員さんを呼んで注文してから奈津の方を見る。

すると奈津ははぁ…とため息をついた。