風雅はおじさんの前に座ってむすっとしている。

「こら風雅。なんでむすっとしてるんだー?」

おじさんがそう言って風雅を突く。

ふふ、こういうときおじさんって子供みたい。

「べっつに」

「母さんを取られて拗ねてるのかー?
お前には結芽ちゃんがいるだろう?」

「はぁ!?」

「お、おじさん…」

慌てる私たちを見てまたもや可笑しそうに笑うおじさん。

うぅ…

「ふう、それにしてもやっぱり我が家は落ち着くなぁ」

そう言っておじさんがソファに深く腰掛ける。

「…ったりめーだろ。
そう思うならフラフラ旅行ばっか行ってんじゃねーよ」

「ははは、悪いねぇ。
でも今回は仕事だぞ?」

「嘘つけ」

「バレた?」

……え!?