両思いじゃないとしても、

理玖は百合ちゃんにいい印象を持ってる。

…百合ちゃんは風雅のことが好きっていう誤解さえ解けていれば。

うーん、うーん…

「理玖、祭り来てたのか」

はっ!

風雅の声に我にかえる。

「そ、そうなんだ〜。
あの隣にいる子、高木君の妹なんだよ!」

「へえ…」

「可愛いでしょっ?兄妹揃って美男美女だよね〜」

風雅のことが好き、という自覚から恥ずかしさについ早口でペラペラ喋ってしまう。

「…へえ」

あれ?

なんか不機嫌?

こっそり風雅の顔を覗き見ると…

…不機嫌でした。