最後の会話なんて覚えてない。

両親の顔もなんとなくしか覚えてない。

覚えてるのは…泣き叫ぶ自分。

『ママぁ!!パパぁ!!どこぉ!?』

さっきあの子が言ったのと同じ言葉。

その後…どうしたっけ。

そんなことを思い出している間、私と風雅の間に沈黙が流れた。

すると…

ふわっ…

「え…?」

すごく落ち着く香りが私を包み込んだ。

私…風雅に抱きしめられてる…?

「…泣くな」

え…

ふと頰を触ってみると、濡れていた。

いつの…間に…?