私ははぁ…とため息をついて風雅の方を見た。

「…重ねちゃったの」

「え?」

「…さっきの子と、昔の私」

風雅ははっとしたような顔をして私を見る。

「結芽…」

「へ、平気だよ?もう大丈夫。
だけど…なんか…ね…」

そう言って俯く。

そう、重ねちゃったんだ。

さっきの子、ちょうどあの時の私くらいだったから…。

あの時…

そう、5歳のとき。

あの日、パパとママに言われて風雅の家に遊びに行ったんだっけ。

それで…

両親、帰ってこなかったんだよね。