「結芽?どうした、行くぞ」

その場で放心状態になっていた私は慌てて風雅たちに駆け寄る。

「ごめんごめん!ぼーっとしてたっ!」

そう言って男の子の方を見て微笑む。

「じゃあ…お姉ちゃんたちと一緒に探そっか」

「…うんっ!!」

男の子は元気にそう返事をした。

風雅はうーん、と唸り、男の子に向き直る。

「ママとパパ、どんな服着てる?」

「お姉ちゃんみたいな服…」

浴衣ね…

浴衣の大人って少ないから、見つけやすいかも!

「そっか。じゃあパパ達見えたら言ってくれな?」

風雅はそう言うと…

「高〜い!!」

男の子を抱き上げた。