「…風雅」

結芽はふと綿菓子を食べるのをやめて俺の方をじっと見る。

「どうした?」

チラッと結芽の様子を伺いながら聞く。

体調でも悪くなったのか…?

すると…

「連れてきてくれて…ありがと」

結芽はそう言って少しはにかむように微笑む。

ドキッ…

…え?

トク…トク…トク…トク…

結芽はまた綿菓子を頬張って次何食べよ?と言いながらキョロキョロしている。

結芽…

なぜか俺の瞳には、そんな結芽だけが写っていた。