今日は12月24日。
クリスマスイブだった。
年に1度のクリスマスというより、
年に1度のママ。
ってそっちの方が大きくなるのは
当たり前だった。
「ねぇ、風花。どう?ママのドレス。似合ってる?」
肩が出たストレートドレスは、
裾が後ろに長く広がっていた。
淡い水色を含んだ、ホワイトがベースで
裾の所々にダイヤが散りばめられている。
「きれー。ママ、すっごくきれー!」
椅子に座って私の頭を撫でてくれていた
さっきまでのママとは違って、
ドレスと同じ淡いブルーのアイシャドウと、キリッと伸びたアイラインが引かれていて、真っ赤な口紅がとっても映えていた。
まるで、別人を見ているみたいだった。
でも、ママが向けてくれる笑顔に
変わりはなくて。
やっぱりママはキレイだと、
心の底から思った。