池田屋襲撃から、五日たった
六月十日
夏風邪が治らず、人手不足な新選組は見廻組の人員をかり、池田屋の残党を追っていた
会津藩へ報告書を届けに行った隊士が帰ってきた
「大変です!!明保野亭で薩摩藩士が
怪我をしました!」
幹部会議中である、土方の部屋に飛び込んできた隊士は ゼェーゼェーと肩を上下し、続けた
「怪我をさせたのが
見廻組 会津藩士 柴 司だそうです!」
「なんだと!!」
「薩摩藩の者が、怪しい動きをしたらしく、後ろを腰の辺りを槍で斬ったとか…
傷はたいしたことなく、回復とのことですが、柴さん…切腹するそうです」
「薩摩藩士が怪しい動きしたからだろ!」
「そちらも切腹するそうです」
「なんてことだ……」
「司は、新選組を守る為に
切腹を言い出したのだろう」
近藤が言う それに土方が答える
「司は、本物の武士だ」