「かっこ悪。」

何処からかぼそりと呟く
青年の声がした。

「あぁ!?」

お頭は自分の後ろに控える部下たちに
睨みを効かせるが、

部下たちは、首を振るばかり。

「誰だよっ!?」
「うっせぇな。」

お頭の横にある木から
軽い身のこなしで降りてきたのは
燃えるような赤い瞳と髪が特徴的な青年だった。
整った顔立ちに
モデルみたいな小さな顔と長い足と
程よく筋肉のついた
たくましい体つき。

唯一おかしいのは、
ファンタジーの世界から来たような
顔以外の全身を覆う黒いマント。