「綿、大丈夫?」


何かと黒い奏でも、心配せずにはいられないらしい。

それは他の面々も同じらしく


口を開く度に労る言葉をかけられる。



ただ最後には結局、開き直らせるような言葉が増えていくわけだ。



「しょうがないよ。会いたいんでしょー、綿に」



こうして心の傷が増えていくんだ。


こういう時、ついとってしまう行動を、みんなは同情してか見逃してくれる。



「行くよ…行くから。今だけは放っておいてね」


その一言を言い残して、屋上からソロソロと逃げ出す。

遅くならない内に行けば多分大丈夫なはずだから、気分転換にでもどこかへ行こうかな。