南竜が他の地区に迷惑さえ掛けなければ、それでいい。

それは先代からの決まりだ。



自分たちの地区で問題が起こったとき、それはそこをまとめるトップがケリをつける。


他の地区に手を貸してもらったり、

そんなことは恥でしかない。


ここはそういう世界だ。



「南竜が若葉たちに迷惑掛けなければ、それでいい」


その言葉に全員が頷いた。


中央からやたらと口煩く言われているから面倒になった。

まぁみんなが理解してくれる材料になればそれでいいんだけど。



「綿、これからどーするの?」


「…倉庫に行く以外用事はない」


「いやいや。中央に呼び出しくらってたじゃん」



思考停止の瞬間だった。


苦笑している明恋に若干の殺意が芽生えた。