ふと部屋を見渡すと、作業に励むみんなの姿が目に入った。
俺もやんねーと、とは思うものの動く気は全くなく。
近くに置いてあった椅子に座り「均等…だよな」と話し合う奴らを眺める。
こんな雰囲気でいられるのは、あの総長があってこそで。
だから尊敬してる、綿のことを。
「明恋さんは総長のことどー思ってんですか」
「お前…話し合い混ざれよ」
「苦手なんで」
いつの間にか隣に来てた奴_吉良(きら)に驚きつつも、副総長っぽく声を掛けた。
あまり動揺するとからかわれる…紫苑のように。
「で、どーなんすか」
笑って誤魔化そうとしたのに、見事にかわされた。
こいつには通用しなかったか…
俺に聞く以前に。
「お前は好きなんだろ、綿のこと」
「はい」
即答か。