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「どーだったー?」
倉庫の扉を開くと、みんなに迎えられた。
明恋は笑顔で、何をしているのかと思えば、トランプだった。
どこの餓鬼だ。この年でトランプとは…何気にマジな奴らがいるし。
基本的に言葉を短縮しようとする明恋。
理解しようとすればできるけど、真面目な人とかは相手にすると疲れると思う。
癖なのか、面倒なだけなのか…
「見回りしろって、南の」
一言話せば倉庫内が静まり返る。
内容に驚いてるのか中央に怯えてるのか…どっちかにしてほしいものだ。
「よく聞こえたな」
「衝撃的だったんだよ。っていうかさー、それって…西麟だけ?」
顔だけをこっちに向けて見つめてくる明恋に溜め息を吐いた。
「そんなに嫌か…そりゃそうか」
自分で聞いて自分で納得してしまった。嫌なものは嫌だな。
「南以外のとこでやる。中央にも手伝ってもらうし」
「そっか」と軽く言った明恋は、どうやらババ抜きに勝ったらしかった。
椅子から立った明恋を「勝ち逃げとかヒドいっすよ!」とかなんとか、引き留めようと頑張っている。
ガキだ…