「南を除いた三つの中で、トップは西麟だろ?」
「そんなことはないかと」
「そうなんだよ、自覚しろ。とまぁそんなわけなんだよ」
言い切った、とでも言うように偉そうな組長。
―まさか今ので理由を説明したつもりだろうか。根本的な部分が解決されていないのに。
“どうして南が西麟に関係するのか”を聞いていたんだけど。
「…納得してないな」
「わかってるなら説明を続けてください」
あえて見えるように睨みつける。少しでも怯ませるために。
この人は自分_西麟が暇な集団だとでも思っているのだろうか。
無論、暇な訳がない。
個人個人が無駄に、毎日のように予定を入れていて。全員が集まる日など稀でしかない。
―――特に明恋。
西麟の中でもリアルを充実している人間で、家族旅行やらパーティーやらでいつの間にか出かけている。
「そんな面倒なことじゃないさ。たまーに南を見廻りしてくれればいい」
「何処が面倒じゃないと?ウチの貴重な人材を南に回せってことですか」
「そんなに嫌か」
「はい」