気分が悪いのは誰のせいだ。
苛々するのは誰のせいだ。
本気で殴りかかりたくなってきた…
曖昧な相槌をうちながらも、目の前に座っている人物を見る。まじまじと。
組長ではあるが髪色はそう派手じゃない。
まぁ目立ちすぎる色だったら狙われまくって今頃あの世だろうけど。
―最近は平和だった。自分でも平和ボケしていると自覚しているつもりだ。
平和なのに何故呼び出しなど…。
「…まぁ、本題にはいるか」
黙り続けていれば、話題を変えるように独りでに話始めた。
「この頃南の統率がとれていないようでなぁ。そのことなんだよ」
その言葉に疑問を抱いた。
統率がとれていないのはこの頃じゃない。ここ半年ずっとだ。
中央の耳に入るのが遅かっただけか?
「南が統率されていないことに西麟は関係しますか」
「…しないな」
「では、自分だけが呼び出された理由をお教え願えますか」
「わかったよ…わかったからその堅苦しい感じをやめてくれないか」
「わかりました」
対してさっきと変わらない口調に文句を言いたげな顔だったが、諦めたらしく息を吐いた。