「何で、他の教科は90点こえてるのに化学は50点台なんだ」
「いやーあのーそれは・・・」
化学が1番苦手なんです、大嫌いなんです、
この世から無くなって欲しいくらい嫌いなんです。
なんて言ったら先生にも、世の中の化学者にも
殺されそうだ。
「化学が、苦手分野でして・・・」
「ふーん。苦手分野ねー。」
先生が不敵な笑みを浮かべる。
「これ、毎日書いて俺に提出すること。」
私の目の前に出されたのは、
意味不明な記号、単語などがずらーと書かれたプリントだった。
「あのー、これは?」
「化学の点数だけ悪かったら俺の教え方が
悪いんじゃないのかって言われるんだよ」
「で、言われないためにもこれをして
いい点取ってくれってことですか?」
「まぁ、簡単に言えばそういうことだな。」
課題というやつだ。
この人は、私を苦しめたいのか?!
「まぁ、がんばってくれ。期待してるぞ。」
と言うと、先生は私の頭を2回ほど
ぽんぽんと叩いた。
今、私の顔はゆでだこ状態になっているに違いない。
「し、失礼しました!!」
私は、足早に職員室を後にした。