「岡本先生、望月です」
先生がこちらに振り返った。
「やっときたな。どんだけ待たせるんだよ。」
「す、すいません・・・。」
いきなり、「どんだけ待たせるんだよ」なんて
言われると心が折れそうだ。
「そんな言い方しなくてもいいじゃんか・・・。」
小声で先生への愚痴をこぼした。
「うん?なんか言ったか?」
「いえ!何も言ってません!」
一瞬、愚痴が聞こえてしまったのかと驚いた。
「望月、何でお前は化学だけこんなに点数が低いんだ?」
私の目の前に、1学期の中間テストの成績表を出してきた。
「数学:90 社会:93 国語:92 英語:98」
そう、こう見えて意外と勉強は出来るのだ。
まぁ、勉強しか自慢出来るものが無い。
「そして、化学が50点」
「いや、でも今までの化学のテストの中では
1番の出来なんですけど・・・。」
そうだそうだ!
今まで化学のテストは30点~40点の間が
私の化学の点数だった。
半分も取れただけ、ほめて欲しいくらいだ。