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予鈴がなった。
教室に戻るのも憂鬱だけどアイツがくっついてくる昼休みの方が憂鬱だ。
あの男がいない教室の方がまだマシ。
「もう終わっちゃったのかぁ
楽しい時間はあっという間に過ぎていくんだね、三日月さん!」
『苦痛な時間は長く感じるのね暁さん。地獄の昼休み長かったなぁ』
するとアイツは笑って
「三日月さんはどんな冗談言っても面白いね!
教室まで送っていきます!」
『冗談じゃねぇ来るな』
アタシは2年A組だから、5階から3階までコイツと一緒にいなきゃいけない地獄。
よりによって今降りている階段から1番離れたクラスだ。
はぁ…E組になりたかっ…いやE組は暁がいる。今のクラスは奴と1番遠いのが唯一良いところなのに。
「もう着いちゃった。三日月さん、僕は次の授業音楽で移動教室だから…
またね!大好きだよ!」
アタシは当然の如くスルーして過ぎ去ろうとしたがやっぱり気に食わないので
『ふざけんなボケカス。何大声で叫んでるんだよ馬鹿なの?アホなの?死ぬの?死ねよ。』
奴を罵倒してから行くことにした
「僕は死なないっ!え、えーとえーと。」
アタシの悪口を考えているみたいだ。
面白そうなので様子見。
「え、えーとんーと。
み、三日月さんのっ!世界1の美少女!!!」
「当たり前。
あとそれ悪口になってないから。」
暁は顔を真っ赤に染めながら走って消えていった。
____音楽室とは逆の方向に。