実行委員が決まったところで授業が終わった
「三日月さんがやるなら俺もやればよかった」
という男の声
「マジなんなの?隆輝とやりたかったからってさぁ。いつも大人しいくせにおかしいと思ったんだよね」
という女の声。わざとアタシに聞かせてるのだろうか
それよりも、浦田くんの下の名前って隆輝って言うんだ
確かに「りゅーきぃ」って群がる女子を見たことがある気がしなくもないような…
そんなに浦田くんとやりたいんだったら変われとか言ってみればいいのに
さっきまでやりたくないやりたくないって言って誰かに押し付けようとしてたくせに。
まぁ相手にしないけどね、めんどくさい
でも浦田くんとなら実行委員もいいかも
はっ!?何言ってるのアタシ
そうだこれは一時的に頭がいかれてるだけだ。そう 一時的に。あー浦田くんと実行委員なんて嫌だなぁ嫌すぎて吐き気ー
よし。
「三日月ー、会議室いこーぜ…
ぶはっ何お前、百面相だぞ!
おもしれー」
浦田くんはお腹を抱えて笑い出した
お前こそなんですか?
いつまで笑ってんだこの野郎
そんな意味も込めて
『浦田くん、頭大丈夫ですか?』
とニッコリ笑って言うと
「ひぃっ…じゃ、じゃあ行キマショウカ…」
浦田くんがカタコトになっていたのでアタシは思わず吹き出した
『ぷふぅ』
すると浦田くんが目を見開いてアタシを見つめてきた
「あ。お前ちゃんと笑えるじゃん」
え?
『!』
はっと気が付き、口元に手をやるも時既に遅し
周りを見ると…良かった。誰もいない
ここが教室じゃなくて廊下だったことが唯一の救いだ
「お前さ、笑えるんだったらちゃんと笑えよ。俺はお前の笑った顔の方が好きだぞ、灯夜」
…!浦田くんがそんなことを言うので不覚にも照れてしまった。し、しかも灯夜って…!
だからつい照れ隠しに
『ア、アタシが笑うと男どもが寄ってくるから。』
こういってしまった。本当可愛くないやつ。
「あーはいはい。そんな赤い顔で言われてもねぇ
まあそーゆーことにしといてやる」
ものすごく大人の対応をされた
ありがと。アタシは心の中で小さく呟いた