「……ッ!!」

『お前邪魔。起きろよ。』





朝方4時。

寝起きの頭でも理解出来るぐらい状況把握にはそう時間はかからなかった

え?今突き落とされた?





「……なんで?…ベッドから突き落とす事ないでしょ!!?お腹に赤ちゃん居るんだよ?もっと自覚して!!!」





ダメってわかってるのに…

日頃溜まってた想いが爆発するかのように次から次へと

止まることなんて知らないかのように





『うるせーよ!!口答えすんなよ!!お前が起きてればいい話だろ!!!』





痛い…

痛い…

痛い…





ただ耐えることしか出来なかった。




「…ごめんなさい…ごめんなさい!!」

『うるせー!!うるせー!!』

「やめて…やめて!!!助けて!!!」





無駄な抵抗だって分かってるのに

誰に助けを求めてるのか分からないのに

ただただ順の気持ちが落ち着くのを待つだけ

ただただ殴られるのを耐えるだけ…

お腹にいる我が子を守りながら

ただただ殴られるのを耐えるだけ

この時の私にはこれしか方法がなかった

妊娠3ヶ月に入ろうとしてるいる時

流産しないようにただただお腹だけを守りながら





『………ごめん。ごめん。彩…』

「……。」

『ごめんね。ごめんね。痛かったよね』





気持ちが落ち着いたら

必ず優しい貴女に戻るんだね。

ずるいよ…

泣きながら謝られたら誰だって許しちゃうよ

だって好きな相手だもん…





「……順?大丈夫だよ…?」





この台詞を待っていたかのように毎回決まってこの言葉を言うよね





『彩が泣くからいけないんだよ?口答えしなきゃ殴らないから。だからお願いだから口答えしないで…?』





私が悪いの?

私のせい?

殴るのは私のせいなの?

私が…私が…

…ごめんなさい…

だからもう殴らないで…