万桜とジルが睨み合い。
 ジャキがサイアスを睨む。

 そしてジルの大剣が、大きく振り上がった時。
 青年の声が響く。

「はい、そこまで!
 ホームルームはじめるぞ!
 サイアスくん、王くん、卓くん、歩羽くん。
 君たちも早く自分たちのクラスに戻りたまえ!」

 そう言ったのは、水道 白銀(すいどう はくぎん)。
 万桜のクラスの担任である。

「わかった。
 ジル、放課後締めてやるからな!」

 そう言ったのは茶髪のイケメン風の少年、海道 卓だ。

「やれるものならやってみろカス!」

 ジャキが、そう言って笑う。

「冗談で言っているんじゃないんだなぁー、ひぃふぅ」

 ぽっちゃりした少年、薩摩 王(さつま おう)がジャキを睨む。

「まぁ、女みたいなやつがいるんだ。
 説得力はないね」

 ベルがそう言ってブロンド色の髪の毛の美少年の方を見る。

「俺は、男だ」

 美少年の名前は、水野 歩羽(みずの ふう)。
 女みたいな名前であることを気にしている。

「男女が何を言う?」

 ジルが、そう言って大剣を床に叩きつける。

「やはり今ここでコイツを締める……」

 歩羽が、そう言うと白銀がため息をつく。

「ダメだ。
 下級生イジメは、停学の対象になるぞ?」

「おい、先生。
 イジメってのは強いものが弱いものに対してする行為だ。
 俺らがこいつらより劣っているとでも言うのか?」

 ジルが再び大剣を床に叩きつける。

「そうだね。
 今の君たちじゃ王くんたちには勝てないね……
 彼らは優秀な生徒だからね」

「気に喰わないね。
 あたしらを甘く見くびってないかい?」

 ジルが、そう言って地面を鞭で叩く。
 ジャキが、銃で天井の電球を撃つ。

「そうやって威嚇で相手を驚かせようとしているのが弱い証拠だろ?」

 そう言って青髪でロングヘアのバンダナの少年が現れる。

「座来栖くん……?」

 テルヲが、少し驚いた顔でその少年の方を見る。

「テルヲ……
 お前も弱くはないんだ。
 この程度の雑魚、自分でどうにかしたらどうなんだ?」

 座来栖と呼ばれる少年が、そう言うとテルヲの視線は地面に移った。