放たれた銃弾は、空中で爆発。
 するとそこにまん丸い姿のニワトリのような生物が現れる。

「クケ―!」

「万桜!
 ニワトリだよ!」

「うん。
 音々斬丸で斬るわ!」

 万桜は、そう言ってレッド・ファングの手に刀を召喚した。
 召喚された刀の名前は音々斬丸。
 音々斬丸は、音さえも斬ると言われている強力な魔界の武器のひとつだ。

「クケ―!!」

 ニワトリが、無数のタマゴを生み出す。

「音々斬丸。
 お願い力を貸して」

 万桜は、そう言って音々斬丸を横に振った。
 剣圧がニワトリとタマゴに当たる。
 するとニワトリとタマゴがまっぷたつに割れる。

「終焉」

 万桜は、そう言って音々斬丸を鞘に収めた。

「凄い魔力だな……」

 そう言って現れたのは白銀の髪の中年の男だった。

「貴方は誰?」

 万桜が、その中年の男が現れる。

「俺か?俺の名前はバルド=バレット。
 しがない傭兵だ……」

「傭兵?」

 万桜が首を傾げる。

「この魔力、人間じゃないな?
 神か?それとも悪魔か?
 答えろ。先ほどの光とお前の関係をな!」

 バルドは、コインを親指で弾く。
 するとコインが光り、そこからフェアリーが現れる。
 重そうな甲冑を身につけた人型のフェアリーである。

「私は、あの光とは無関係よ」

 万桜が、そう言ったがバルドは信じない。

「そんなこと信じれるか!
 あの光は、俺の部下を……
 この学校の生徒を……そして!この街の人々を滅ぼしたんだぞ!
 無傷なのがお前が人ではない証拠だ!」

 バルドが、そう言って鉄球を召喚する。
 そしてそれを振り回す。

「待って!私は人と戦う気は!」

「お前は、俺の――」

 バルドが、そこまで言いかけたとき少女の声が響く。

「その紅い機体、万桜ちゃん?」

 万桜は、その声に聞き覚えがあった。
 シエラ=シエル。万桜の親友のひとりだ。