「…」

何を言われるか…わからなかった片桐だけど、薄々感じていた。

だから、素直についてきた。

美佳から、視線をそらすことなく、彼女から向けられたものは、すべて受け止めるつもりだった。

美佳は一度、深呼吸した後、おもむろに言葉を吐き出した。

「太一のことをどう思ってるんですか?」


「太一?神谷くんのこと…」

片桐はそれ以上、何も言えなかった。

そんな片桐を睨みつけ、

「お、おれは!あいつをまた…不幸にするやつがいたら…絶対、許さないからな!」

口調は強いけど、涙でぐちゃぐちゃになった美佳の顔に、片桐は言葉を飲み込むしかなかった。

「それだけは…憶えていろ!」