接点がないからだ。


しかし、そのないはずの接点が…自分であるとは、思ってもみなかった。





青空の下、美佳と片桐は屋上にいた。


美佳に先導され、屋上に足を踏み入れた片桐は、雲一つない晴天に目を奪われた。

先に屋上に入った美佳は、片桐に背を向けて…空ではなく、足下のコンクリートに視線を落としていた。

美佳は一度目をつぶると、顔を上に上げ、

「こんなふうに…片桐さんと話すとは、思わなかった」

瞳に映る青空も、美佳の頭には映らない。

振り向き、美佳は片桐と対峙する形になった。

「本当は…じっくりと時間をかけて…話したかったけど…」

美佳は、片桐を見据えた。