「はあ〜」

深くため息をつく俺を、片桐は頬杖をやめると指差した。


「神谷くんも、制服じゃない!」


「お、俺は…一応、学校の行事に参加するから」


土曜日に視聴覚室を貸し出すからといって、生徒に私服を許す学校ではなかった。

でも、それはイベント参加者だけであって、休みの生徒には適応されていない。

いないのに…。

私服ではない片桐に、俺はがくっと肩を落とした。

「べ、別に…いいじゃない!」

片桐はなぜか…恥ずかしくなって、両手で制服を隠した。


俺は、そんな片桐な様子を見て、これはこれでいいか…と思ってしまった。

恥じらう片桐も、かわいい。