いつのまにか…片桐は俺の方に体を向け、笑っていた。

「あっ…。ごめん」

俺はなんか…謝ってしまった。


「馬鹿ね。謝る必要なんてないのに」

片桐はクスッと笑った。

そして、微笑みながら…反転した。

「最高じゃない」

そう言うと、教室に向かって歩き出した。


俺は興奮が取れずに、片桐の背中を見送った。

見えなくなる頃、昼休みが終わるチャイムが、校内に鳴り響いた。