「片桐…」

予想外の片桐との遭遇は、俺の心臓を止めた。


(畜生〜)

俺は心の中で、 感嘆した。

離れて見る片桐は、あんなに触れあった昨日よりも…綺麗に思えた。


俺は、まだ…気づいていない。

自分自身の本当の気持ちに。

悲しみを忘れる為に、恋をするのではなく、

愛する女を大切にする為に、恋するのだ。


例え、傷つくことがあっても、愛するという気持ちが…俺を勇気づける。

この時、

俺の心の底で、

俺は誓っていた。

この愛しく…大切な人を守りたいと。


「よお」

軽く挨拶し、片桐に近づく…一歩一歩が、さっきまでと違うことに、

俺はまだ気付いていない。