走りながら、僕は彼女に電話をした。

しかし、ちょうど年が変わる前で、いなかのくせに、

携帯は混雑し、通じなかった。

メールも混み合っているからか、送れない。

周りの家から、明けましておめでとうの声を聞きながら、

僕はずっと携帯を操作していた。


12時半やっと送れたメールは、宛先不明で返ってきた。 

電話は…着信拒否となっていた。

何度もメールと、電話を繰り返したが……

彼女に、つながることはなかった。


僕は、道端で泣き崩れた。


どうして、こうなったのだろうか。

どうして、彼女をちゃんと助けることができなかったのだろうか。


今、思えば……彼女は、最初から、瞳の奥に、信号を発していた。

なのに、僕は口付けの感触にとらわれ、気付くことができなかった。



今さら、気付いても遅いんだよ。




馬鹿野郎。