DEAR…伊藤翔太様。



あなたとメールをしていたここ数日は、あたしにとって、かけがえのない日々でした。


あたしは、今日離婚しましたけど、実際はもう数ヶ月前から、彼とは別居していました。

あたしが、流産したときから。

生まれるはずだった子供を失い、大きなショックを受けていたあたしが失ったものは、

子供だけではなかったのです。

あたしは、あたしは、


もう子供を産めない体となってしまったのです。

結婚できるとはいえ、十六での出産は、危険だったのです。


子供を失い、子供を産めなくなったあたしを、あの人は…最初は慰めてました。

だけど…女としては、見てくれなくなりました。


子供を産めない女と、これからずっといられないと。

彼もまだ19歳です。あたし達が出会って、まだ一年もたっていません。

子供というつながりがなくなったとき、二人のつながりもなくなったのです。


子供が産めなくなったあたし。

女としての価値がなくなったあたし。


生きていく気力もなくなっていた時、久しぶりにあなたに出会いました。


あなたはなら、あたしを受け入れてくれると。

もう愛されることがなくなったと思っていたあたしを、

あなたなら、愛してくれると。