大河はいつになく優しかった

シャバに出てからはじめてひとと接したからなのか

お人好しだった


俺は久しぶりにひとに対して善行を行った

ああいい気分

思い出すな・・

あの娼婦とはじめてあった
はじめて他人というものから
優しくされたあのときを

思い出すな・・

そんくらい俺の優しさは錆びついちまってたのか

人助けするのがこれほど快感なんて

知らなかった

「大丈夫か?」

「はい」


「ズボン汚れちまったな、ほら、やるよ。新しい下着に・・ズボンだ!心配すんな。下着はまだ使ってねえ。トイレでも行って着替えてきな!」