そして―――

あたしのささやかな願いも虚しく……




「さぁ、出掛けるぞ!!菜子、父さん達がいないからって練習をサボるんじゃないぞ??」

「不良に絡まれても負けちゃダメよ??菜子。もし絡まれたらちゃっちゃとのしてやりなさい。」


両親はそんな言葉を残してあっちゅー間に去って行った。
ってか、もっと他に言うことないんかいっ!!!!


あたしの両親はどんなときでも空手が中心。
あたしが物心付いたときには、すでにあの人達の空手一筋街道の道ずれにされていて、今ではすっかり空手が体に身に付いてしまっている。


その影響からなのか、学校中の男子は嫌にかしこまった態度で接してくる。

そしてあたしの知らないうちに何故か『裏番長』のあだ名で通っているらしい。

あたしが何したっちゅーんだ?!!


確かに、学校で不良グループの男の先輩達が女の子にしつこく絡んでるところを止めに入って喧嘩になったことはあったけど、あれはきっと関係ないよ、うん。





とにかく、そんな空手マニアな両親には呆れたもんだ。




『一体これからあたしはどうすんだぁぁぁぁっ!!!!???』