「とりあえず何か飲み物でも買う??菜子行こうよっ!!」

『あ、うん。いーよ!!二人とも待ってて。』

「えっ…?!、オイ待てよ俺行って来るからっ――」

諒が何か言い掛けたが、あたしは樹里に引っ張られるようにして嵐と諒をその場に残して飲み物を買いに行った。



「………。」

「………。」



二人の間に気まずい空気が流れる。



「俺、前橋 諒。お前は??」

「羽野 嵐。」

「嵐だな。よろしく。」

「うん。」

「あのさ――…嵐はさ…あいつとどういう関係、っつーか………。」

「菜子??」

「ああ。」

「…何だろう。」

「何だろうって…お前なぁ…。」

「―――ただ…。」

「??」

「俺は菜子に…恋、してるのかも。」

「――そ、か…。」



再びしばしの沈黙。



「俺、…お前に負けないぜ??」

「…うん。俺も負けない。」

「なぁ、勝負しねぇ??」

「勝負??」

「何か今すっげぇお前と勝負したい気分なんだよ。」

「…いーよ。何で??空手??」

「別にそれでも良いけど、お前できんの??自慢じゃねぇけど俺結構強いぞ、空手。」

「俺空手できるよ。」

「そうなのか?!…手加減しねぇよ??」

「うん。俺もしない。」



二人は睨み合う。

そしてお互い間合いを取って向かい合った。