梨々香は切なそうな表情をしながら私を抱きしめた。 「確かに手が思うように動かないのは認めたくないし、相当苦しいよね。 私でも胡桃に八つ当たりしてたと思う。」 優しすぎたよ、梨々香は。 「だからさ、私が胡桃の右手になってあげる。 どんな時でも助けてあげる。 遠慮なんていらないから、私が胡桃を守ってあげるから。」 涙が出てきた。 「梨々香……ありがと………」 梨々香は泣きじゃくる私の背中を優しくさすってくれた。