お母さんは海外に旅立った。 私は家に帰って、桜井くんに報告することにした。 プルルルル、プルルルル 「はい。」 数コールして、桜井くんの低音ボイスが耳に入ってきた。 「あ、桜井くん。お母さん、無事に行ったよ。」 「そっか。寂しい時は、いつでも言ってね。」 桜井くん、やっぱり優しい。 「うん。ありがと。」 「………。」 「………。」