放課後


私は、お母さんと約束していたカフェに向かった。



カフェには、すでにお母さんがいて手を振っていた。


「お待たせ、お母さん。」


「平気よ。」


私はお母さんの向かい側に座った。


「お母さん、単刀直入に返事を言うね。
私、日本に残りたい。
お母さんと一緒に住めるのは嬉しいよ。
でも、日本には大切にしたい人もいるし、日本でやりたいことがいっぱいあるの。だから、一緒には住めない。」



お母さんは、少し黙ってから口をひらいた。


「胡桃の答えは分かってたわ。今、胡桃の気持ちが聞けて安心したわ。
お母さんは、海外に行っちゃうけど、たまには、帰ってくるわ。
仕送りもちゃんとするから、胡桃はやりたいことをやりなさい。」