確かに、同じ部活でも今まで接点はそれだけ。部活動中も絵を描く事に集中するから、あまり話す姿は見せたことがなかった。
というか、さっき初めてあんなにたくさん喋ったな。
「同じ部活なんで普通に話しますよ」
「そっか、見ないだけだね」
「...そういえば今日、人少なくないですか?」
室内を見渡してみて、改めて思う。いつもだって少ない部員が、今日は更に少ない。足りていない。それは、すぐに気づく。
いつもの笑顔が、明るさが見えないから。
「ああ、今日は北岡くん休みなの」
「そうなんですか。...鈴森先輩は、」
探してしまう人の名前を口にすると、坂田先輩は少し驚いたように、目を丸くした。
それがどうしてなのか、わからないけど。
「...?先輩?」
「あ、ごめん。星乃なら、準備室に...」
_________ガシャン!
先輩が鈴森先輩の居場所を教えてくれたと同時に、準備室から物が落ちる大きな音。
俺は頭よりも先に、体が動いてた。