その笑顔が、なんだか痛々しかった。



「で、なんでいきなり打ち明けたかって言うと...」



村山は涙を拭いながら、続きを話す。そう、俺たちがここへきたのは、さっきドアを開けることを拒んだことに対する説明のためだ。


ここまできたら大体はわかるけれど。



「さっき部活のドア開けたら...あ」


「...?」



しまった、というような表情。

言いかけた言葉は俺の想像通りなのだが、何かまたあるんだろうか。



「...あたしだけの話じゃなかった」


「?何だよ」


「誰にも言わないって、約束してくれる?...なんて、口が軽いみたいに感じるけど」


「ああ、約束する」



目を見てそう言うと、村山は息を吸い込み、そして再び話し出した。