「え...」



本当にいきなり、そう打ち明けられた。今まで全然気が付かなかったし、驚かない方がびっくりする。



仁科、先輩って。


...部長?



「びっくりしたでしょ?入部してちょっとしてから今までずっと好きだったの。...それで、」



そこで村山は一息おいた。彼女は依然頭を垂れていて、表情は読み取れない。

でもその声から、なんとなく想像できた。



「あたし、この前勢い余って告白しちゃってさあ」


「......」


「金曜日部活休むって伝言頼んだでしょ。その前の日に部長とふたりになって、なんかもう溢れちゃったっていうか、思わず好きって言ってね」



そこで彼女は、漸く顔を上げた。



「...見事に玉砕しちゃった」



今日初めて合った目。


その瞳は、涙で輝いていた。それでも、必死に笑おうと笑顔を作っていた。