翌日は土曜日で部活がなく、迎えた月曜日。
いつも通り、教室を出て階段を上り長い廊下を歩いた突き当り。部室が見えてきたところで、いつもと違う光景がそこにはあった。
「...村山?」
そこには村山が、扉の前で中に入らずに立ち尽くしていたのだ。
不思議に思って、近づいて声を掛けると、彼女は俺に気づいて少し目を開いた。そしてそのあとすぐ、焦ったような表情に変わった。
「何やってんの、中に入れば...」
「っだ、だめ!」
ドアに手を伸ばすと、村山は慌ててそれを制した。そしてはっとしたように、手で口を覆った。
その行動に、驚く。
「...どうした?」
「ご、ごめん...場所変えてもいい?」
気まずそうに目線を逸らしてそう言った村山に、俺は頷き、俺たちは部室から一旦離れた。