「ごめんね、桐山。急に呼び出したりして」
「いいよ。でも珍しいな」
「珍しいっていうか初めてだよ」
「そうだっけ」
「そうだよ。だから無駄に緊張してる」
思い返してみれば、俺が呼び出されるなんて今までなかったな。ましてやその人が女子とか。珍しすぎる光景だろう。
まあそんなことはどうでもいいのだが。
「それで?何かあるから呼び出したんだろ?」
「うん...あのさ、」
俺が促すと、村山は少し下を向いた。
俺なんかを呼び出すなんて、一体どんな用件があるんだろうか。見当もつかず彼女の声に耳を傾けた。
しかし、それは意外なもので。
「今日部活休むって、部長に伝えといてくれないかな」