ふと視界の端に、駿が映った。
いつもはうるさいそいつが、今は珍しく静かで。どこか悲しそうな顔をしている。なんでお前が、と思った。でも、何も言えない。
こんな顔をさせているのは、俺が原因だから。
「お前は?」
「...え?」
「もう決まってんのか?」
空気を変えるために、そう訊いた。駿はちょっと驚いたような表情を一瞬だけ見せて、それからまた、いつも通りのトーンに戻った。
「俺は弓道かな!」
「...弓道?お前中学の時何部だっけ」
「野球だけど」
何だよ、みたいな顔。まあ、何を選ぼうが本人の勝手なんだけど。
野球から弓道って、一体どんな心境の変化があったんだか。
...部活、なあ。
この高校って、何の部活があったっけ。それすらもあまり覚えていない。たぶんありきたりな部活はあるんだろうから、その中から選ぼう。
少し考えて、1つの部に辿り着く。