昼休み。



紙に書かれた通り、屋上前の階段へ向かう。



屋上への出入りは鍵がかかっていてできない。だからこの踊り場は人気がなくて、ここに呼び出されることはしばしば。


階段を上りきると、そこにはまだ誰もいなかった。



...ちょっと早かったか。



階段に腰かけ、その相手を待つ。


そういえば誰なんだろうか。紙には名前も書いていなかった。人づてにわたしに渡ってきたから、顔を知らない。慶哉に訊けばよかったな。

まあいいや。お腹すいたなー。



メモをぼんやりと見つめていた、とき。



「星乃ちゃん」


「、!」



不意に名前を呼ばれて、思わず背筋が伸びた。