キミと出会ったのは確か

ボクが小学5年生のとき。


ボクらの部屋に女の子は初めてで

よく覚えている。


キミは1つ年下のはずなのに

ボクより遥かに大人に見えた。


色のないような目で
なにを喋るわけでもなく
ただじっと前を向いていた。


小学生とは身勝手なもので

つまらないものには興味を示さないのだ。

部屋の誰一人としてキミと言葉を
交わすことなかった。


キミはベットから動かず

窓の外をずっと眺めているだけだった。


たまに看護師に呼ばれると

どこか色のない目をして出ていく。

そしてまた色のない目で帰ってくる。










それがキミだった。