「詩織…?」
「当ったりー♪ちゃんとあたしの事覚えててくれたかぁー」
そう言って玄関でいきなり抱きついてくる詩織。
突然の訪問に驚いてた俺はうまくかわせなかった。
こんなの誰かに見られたらどうすんだよ!
「ちょっとやめろって!!」
「いいじゃん、久しぶりの再会だよー♪」
「わかったから!早く中入れって…」
「いいの?じゃあお邪魔しまーす」
左手に持っていた買い物袋を俺に渡して、詩織は部屋の中に入っていった。
初めから家ん中入る気満々じゃねーかよ…
それより
なんで詩織が俺んち知ってるんだ?
水瀬詩織【ミズセシオリ】
中学の時の同級生。
性格は甘えん坊でお調子者。
俺の前では…。
本当はしっかり者で頭が切れる、賢い奴。
詩織は
クラスの人気者だった。
明るくて、人懐っこい、美人で頭もいいのに全然気取ってない。
高校は別で時々は会ってたけど、大学に入ってからはパッタリ。
俺は同窓会とかも行ってないから、本当に久しぶりの再会だった。