帰り道。
あの時の合コンよりもさらに気まずい雰囲気…。
お互い何話していいかわからないからなくて、出方をうかがってる感じ。
けどこんな重苦しい空気を打ち破ったのは
櫂だった━━…
「ごめん、気まずくて」
「ううん、全然」
「最悪だよな…俺」
「何があったの?」
あたしがこう聞くと
櫂は大きく吸い込んだ息を吐いて、ポケットに手を突っこみながら答えてくれた。
「大好きな人の大好きな人を俺が奪った」
いつもの冷たい口調。
目は悲しく、まるで段ボール箱に捨てられた子犬みたい。
大好きな人の大好きな人?
って事は櫂の好きな人は…
やっぱりあの美菜ちゃん!!
サラッというすごい事聞いちゃった。
あーいうのがタイプなんだ…可愛いもんね、清楚だし、守ってあげたくなるような子がいいんだね♪
じゃなくて!!
「櫂は何をしたの?」