「櫂と何があったんですか?」
あたしは単刀直入に聞いた。
オブラートに包んでとかそういうの大っ嫌いだから!!
けど
どんな答えが返ってくるかちょっと怖い。
「大切な人を亡くしたんです、あたしの好きな人でした。
クロが…」
美菜ちゃんの目はまた涙でいっぱいだった。
櫂が何をしたのさ!!
あっ・・・
あたしは見てしまった。
涙を拭う美菜ちゃんの手首にある無数の傷跡を――…
リストカット?
あたしの視線に気づくと、美菜ちゃんは浴衣の袖で慌てて傷跡を隠した。
「あたし何度も死のうとしたんです…早く彼の元に逝きたくて。
でも
無理でした…結局あたしにはそんな勇気なんてなくて。」
止まらない涙。
あたしは
聞けば聞くほどわからなくなくなって…
中途半端な好奇心から、話に首を突っ込んでしまった罪悪感がわき上がった。