「ねぇー次は金魚すくいやろうよ♪」
「すくってどうすんだよ…」
「いいじゃん、記念にさっ!」
それから
彼女にさんざん振り回されて、すげぇー疲れた。
なかなか帰るって言わないし‥。
あれ買うこれ買うって本当にうっせぇーの!!
この子の彼氏になったら大変だと思う…。
「頼む、ちょっと休憩」
そう言って強引に彼女の腕を掴んで、近くのベンチまで連れていこうとした時――…
俺は“ある人”と目が合った。
「嘘だろ…」
俺は自分の目を疑った。
こんな偶然ってあるのか?
それとも夢?
でも確かに
もう二度と会えないって思っていた人が、自分の目の前にいる。
「美菜・・・」
俺は頭の中がまっ白だった。