「まだいたの?」


陽も沈みかけて、空はいつの間にかオレンジ色。

結局、最後まで練習を観てしまったあたし。


汗だく泥まみれの櫂くんから冷たく突っ込まれる。



「櫂くんサッカー上手すぎだね、あたしビックリしちゃった!!」


「別に…」


「サッカー大好きなんだね!!」


「かなぁー…」



かなぁー…って!!


サッカーが好きだからあんなに一生懸命にボール追いかけてるんじゃないの?



「いつかプロになるの?」


「ならないかな」


「じゃあどうして大学でサッカー続けてるの?」


勇馬くんの忠告を無視して、櫂くんにキレられるの覚悟であたしは聞いてみた。


だってこのままじゃ気になりすぎてあたし絶対寝られないもん!!