「黒崎櫂【クロサキカイ】です」
俺は愛想のなく自分の名前だけ言って、席に座った。
シーンと凍りつく空気。
「あはは…ごめんね、コイツこういうクールな奴だからさ、気にしないで」
勇馬が慌てて俺のフォローをする。
なに気遣ってんだよ‥。
「森山未菜【モリヤマミナ】です」
今度は、俺の目の前にいた女の子がそれだけ言って、席に座った。
明らかに不機嫌そうに。
ますます空気は凍りついた。
「ちょっと未菜!!他にもなんか言って!!未菜ってばぁー」
横に座ってた女の子がその子に慌てて注意する。
なぜだろう…
その子の名前を聞いたら俺の胸が一瞬チクリと痛んだ。